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あきいろのかぜ

 
 

9月に入ってしばらくの間 残暑の厳しい日が続きました

「まだまだ暑いね」って 裏のおばあちゃんと話してたんです

それが昨日のこと
 
 

ところが今朝 目を覚ましてみると

いきなり風が変わっていました

それまでの暑い南風とはうって変わった 涼しげな東風
 
 

日差しはまだまだ強いけれど なんだか心地よさを感じます

いつのまにかわったんでしょう?
 
 
 
 

ラジオが言うには

大きな大きな颱風が 西の彼方を通り過ぎたんだとか
 
 

言われてみれば一昨日は

一日中土砂降りの 雨模様

昨日は南風がびゅーびゅー吹く 風模様でした
 
 

そして今日は

カラッとした心地よい東風が吹く 晴れ模様
 
 

颱風が秋を運んできたような そんな気がします

いつの間にか雲の形も 秋っぽいですね
 
 
 
 

「急に涼しくなったな」

マスターも縁側にやってきました わたしの隣に並んで座ります
 

「もう、秋ですね」

とわたし
 

蚊取り線香も浴衣も 来年までおやすみです
 
 
 
 

庭を吹き抜けていく風が

夕方になって ちょっと肌寒さを感じさせます
 
 

わたしとマスターの目の前を飛ぶ 赤とんぼ

向こうに見える 夕焼け空
 
 

庭先のしおからとんぼが あきあかねにかわり

あれだけ騒がしかった蝉の音が 涼やかな虫の音にかわり
 
 

いつの間にか季節が 夏から秋へと移ろいゆきます
 
 
 
 

不思議ですね
 
 

誰が教えたわけでもないのに

いつの間にか周りがみんな”秋の色”です
 
 

空の高いところを うろこ雲が横切るころには

秋がどっしり腰を据えているのでしょうか?
 
 
 
 

横にいるマスターを ちらっと見ます

どうした?と言う感じで こっちを向くマスター
 

 ふふ なんでもないですよ
 

芸術の秋 読書の秋 色々ある秋の中で

マスターはきっと”食欲の秋”だなあ って思ったんです
 
 
 

fin20000904
20000916手直し


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