お正月のお墓参り −ちび椎那のつぶやき22−
 
 
 
お正月休みの とある風の強い日

ちひろさんと一緒に お墓参りに出かけました

もちろん 奥様やはるちゃんさんも一緒です


今立っているのは ご実家の最寄り駅

もう一人 今日一緒に行く方を待っています

あ いらしたみたいです


やってきたのは ちひろさんのお母様

こっちに向かって 手を振っています

ちひろさん そんなお母様の姿を見て苦笑いです


みんなそろったところで 電車に乗ってお墓の最寄り駅に向かいます

お墓へは その駅からさらにバスに乗って行くんだとか

バス停からお墓まで さらに歩いて15分くらいなんだそうです


お墓の周りは お家とかがない寂れた場所で

昼間でも 一人で行くのはちょっと気が引けるようなところなんだそうです

だから ちひろさんたちが一緒に行ってくれて助かるんだってお母様がおっしゃっていました




ところで なんでこんな時期にお墓参りなんでしょか?

お盆でもお彼岸でもないこんな時期 まだ松の内です

初詣じゃなくお墓参り なんだか不思議です


ちひろさんは「まあそう言うのもいいじゃん」と笑っています

奥様は「去年一度も行ってないしね」とおっしゃいました

お母様は「こうでもないと、なかなか行けないしね」とニコニコしています


んー 答えになっているような なっていないような……

「お正月だからダメってことはないでしょ?」と笑う奥様

あう 確かにそうですね





冬の冷たい風の中を お散歩がてら歩いていきます

右にはずっと遠くまで畑 左はフェンス越しにゴルフ場

なんでもかなり有名なゴルフ場なんだそうです


てくてくと15分くらい歩いたところに お墓がありました

遠くに富士山の見える そんな場所にありました

ちひろさんのおじいさまとおばあさまが 眠っているんだそうです


早速 持ってきたお花とお線香をお供えします

ありゃ ちひろさん風が強くてお線香に火がつかないみたいです

風上に背を向けて 手で覆うようにして…… どうやら火がついたみたいですね




お線香の煙が 風に流れて消えていきます

青く澄んだ 冬の高い空に消えていきます

空の彼方へ空の向こうへ 消えていきます


お花をあげて

お線香をあげて

両手を合わせて…… 




あっと言う間に帰る時間です

「また来るね」 とお墓に向かって声をかけて

今来た道を 引き返します


「来れてよかった」

帰り道 そうつぶやくお母様はとても穏やかな顔をされていました

fin20010115
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……と言うわけで、お正月早々お墓参りに行ってきました。
本文中では触れてませんが、お袋の実家のお墓は
バス停から人気のない道を15分くらい歩かないと着かない場所にありまして、
故にお袋一人では行くことが出来ないので、うちらだったり弟夫婦だったりが
一緒に行くことにしているのです。
そんなへんぴな場所でも、同じ横浜市内なんですけどね(^^;;



20010317 奈落より再録






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