バス停にて −ちび椎那のつぶやき2−



  お仕事のお供をした 帰り道のことです

  ようやくお仕事も終わり バス停で帰りのバスを待っていました



  その日は早出で遅番 ちひろさんはとてもお疲れのようで

  生あくびを飲みながら なんとはなしに西の空を見上げていました


  会社の近くにあるそのバス停は 西のほうが大きく開けた場所

  向こうに見える山々まで まるでなにもないように見えます


  わたしも胸ポケットの中から 空を見上げてみました

  ちょうど そのとき



    頭のてっぺんから 山の端に向かって

    なにか 光の矢のようなものが走りました



  ちひろさんは なにが起きたのかすぐに理解したようです

  とてもうれしそうな気配が 伝わってきます


  ついさっきまでの 疲れたような険しい顔はどこへやら

  とても穏やかな そんな感じです


  いったいなにが起きたんでしょか?

  よーく考えてみてわかりました



    流れたんです 大きな大きな流れ星が

    頭の上から山の端に向かって ヒュッと



  そう言えば朝 ちひろさんが言ってました

  ちょうど 獅子座流星群の時期だと言うことを





  それからしばらくの間 ちひろさんもわたしも

  また流れないかと 空を見上げていました


  ダメですね 意識して見ると

  なんだかそこかしこで流れている そんな気がします


  ぼーっと視野を広くする それがコツなのだそうですが

  なかなかうまく いきません




  ちょっと経ってから バスがやって来ました

  日付が変わる前に お家に着けそうですね


  流れ星さんを お家の近くでも見れるでしょか?


fin991028
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ちびしいのつぶやき、その2です。
今回のは構想数分、書くのに30分と言ったところです
(帰りの電車で書いてます。今、東○塚の当たり(笑))
前回のつぶやきもそうですが、ちびしいのお話は基本的に実話です。
獅子座流星群、たくさん流れるといいですね(^^)
ではでは。

20000320 奈落より再録





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