→●「そんなのいやだ。たとえ塚原先輩が納得したとしても、僕は納得できない!」
○「塚原先輩がそう言うなら仕方ない。もう塚原先輩に話しかけるのはやめよう」
「そんなのいやだ。たとえ塚原先輩が納得したとしても、僕は納得できない!」
「えっ……」
「塚原先輩は、自分がいなくなれば全部丸く収まると思っているんですか?
自分の気持ちに嘘をついてないですか?」
「そ、それは」
「それに……僕の気持ちは考えてくれないんですか?」
「え……」
「塚原先輩がそうやって僕から離れていって、僕が傷つかないって思っているんですか?」
「あ……」
「僕はこうやって先輩と話をするのが楽しいんです。確かにこの間は調子に乗りすぎて
七咲に誤解されるようなことをしちゃいましたけど、あれが原因で塚原先輩が僕から
離れていくなんて、僕には耐えられないです」
「橘君……。ごめんね、君の気持ちを考えてなかった……」
「七咲は、この間の件は僕と塚原先輩を信じるって言ってくれています。
もうあんな風に調子に乗ったりしませんから、そうやって自分がいなくなればいいって
考えるのはやめて下さい」
「……うん」
「僕こそ、先輩の気持ちも考えずに調子に乗ってすみませんでした」
「謝らなくてもいいよ。調子に乗ったのは私も一緒だから」
「いえ、謝らせて下さい。僕があんなこと言い出したから、先輩と七咲を傷つけたんです。
もう、こんな風にならないようにします」
「えっと……それじゃ、今までどおり……でいいのかな?」
「はい」
「橘君、ありがとう。……でも、もし、もう一度同じようなことがあったら、
多分私は耐えられないと思う。君を信じることもできないと思う。
それだけは……わかっていて」
「はい」
僕から離れていこうとする塚原先輩をなんとかつなぎとめることが出来た。
でも、塚原先輩が言うように「次」はないのだろう。
もっと考えて行動しなくちゃいけないな……。
------------------------------------------------
このお話は、ひびきスレにアップしたものの再録です。
ごほうびイベントっぽい最中に別のヒロインが出くわすわけですから、
本編ならば涙イベント発生だな、と言うことでそっちの方向で書いたお話です。
ひびき先輩はこういうバッティングが起きたときは、特に相手がはるかや七咲なら
自分から身を引くだろう、と言うのが持論ですから、七咲の涙イベントに続いて
ひびき先輩の涙イベント(?)と言う流れになってしまいました。