Collection No.204 カルティエ アールデコ カフリンクス
 1930s フランス


ディナージャケット(タキシード)用のカルティエのカフリンクスです。

アールデコでも非常にシンプルで幾何学性が強調されたデザインが、黒のエナメルと、素晴らしいセッティングのダイアモンドとの鉱物的な冷たさと非常に良いバランスをとっております。無駄を排し、怜悧に研ぎ澄まされた印象から、アールデコのデザインでも後期に属するものであると考えられます。

ダイアモンドは全てローズカットのメレダイアにしては大粒で、非常に透明度の高い上等の石を使っております。プラチナの爪はほとんど見えないように石はドーム状にセットされ、一見大きなダイアモンドの一粒の石をはめ込んでいるような印象があります。デザイナーはそのことを意識しているのか、3方向に配置された爪状の三角形のパターンを配しております。

この作品の刻印は Cartier Paris とシリアル番号のみで、Cartier の刻印も、1910年代のドレスセットとは違い、シンプルなゴシック体で記入されております(ドレスセットには筆記体の刻印がされております)。しかし、後ろのリンクの形状は同じようなダンベル型で、シンプルで機能性がある形状で、カルティエが好んで使っていたことが分かります。

fig1. 裏面のディテール

fig2. 表面のディテール